建物の塗装に使用する素材は、定着力を上げたり見た目を良くするなどの理由で、化学的な要素が組み込まれていることがほとんどです。そしてそれは時に人体にとって害になる可能性があります。
塗装にはいくつもの成分を使用しますが、その中で人体に悪影響を及ぼす怖れがあるのは有機溶剤です。塗料を溶かした状態で維持する役割を持ち、乾燥することで定着する性質を持ちます。これが特に人体の粘膜部分に触れると、目のかすみやのどの痛みを引き起こす場合があります。相性次第ではアレルギー反応に繋がることもあるため、特に敏感な人は注意が必要です。
また塗料独特の臭いが身体だけでなく精神にも働きかけるかもしれません。ただ現代ではシックハウス症候群などの問題に敏感であるため、有害な塗料を使用していることは少ないです。中には人体への影響を最小限に抑えられるように作られたものもあります。影響が気になる人は、健康を優先して探してみるのもよいでしょう。
外壁塗装において用いる塗料に含まれる化学物質の中で、健康への悪影響が懸念される代表的な成分はシンナーです。子どもの体には特に気を付けたいところですが、外壁塗装工事は基本的に屋外で行われるとあって、出入りの仕方に注意する必要があります。
外壁の塗り直しを行う場合、足場を組んだあとに養生シートで囲ってしまいますので、養生シートの内部にはシンナーのにおいが強く漂います。子どもだけでなくお年寄りやにおいに敏感な人は、玄関口は養生シートで覆われませんので、速やかに出入りするのがコツです。
玄関先にはシンナーのにおいがやはり入り込んでくるとあって、小型の空気清浄機を置いたり、あるいは一時的に室内の空気清浄機を玄関先や、玄関に近い部屋に移動させるなどしておくと化学物質を吸収してきれいな空気にしてくれます。
家の外でおこなうのが基本の塗装工事とあって、それほど神経質になる必要はありませんが、家への出入りは速やかに行うことが工事の妨げにもならないという点に配慮すると、体にも安心です。